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2016年03月28日
私がインドの原石鉱山(石屋の言い方として”丁場”と言います。)に通い始めて25年以上過ぎました。また中国に原石を販売する会社の董事長として1998年から2003年中国に滞在しておりました。今でももちろん年に数回のインド出張、中国出張を繰り返しております。その経験からお答えいたします。弊社の扱っているクンナムは本クンナムとなります。 なぜ本クンナムという言い方が有るのかと言えば、過去日本の墓石工場にインド材を多量に販売していた多くの原石販売商社がクンナム地域以外で採掘される似ている石を偽クンナムという言い方をして販売しておりました。安価な中国工場の登場により、海外の石も中国に入り中国の原石商社が台頭し、日本の原石商社は中国からの石材製品扱い商社になっております。日本の商社の場合は偽とかの名称を付け区別しておりましたが、中国の場合KNM-8のように売りやすい名称にし混乱させております。偽クンナムの採れる地域の一つにチヤムラジナガールがあります。クンナムより遠く離れたカルナタカ州にあります。私も何度か訪れました。石目は薄い黒が主ですが、中には黒い石もあります。しかし一番の問題はオイルやシリコン化合物を塗ることによりクンナムと見分けがつかない表面となってしまいます。しかし塗装が剥げれば白っぽくなり、尚且つ悪いことに細かいひび割れが出てきます。弊社では全く取り扱いしておりません。クンナムが珍重されるのは40年の歴史に裏打ちされる品質の確かさです。 私が中国にクンナム原石を最初に販売始めたころ、分かりやすいように KNM-Oという名称にしました。その流れで今でもいろんなクンナムがあります(まさか中国人がクンナム以外の石にもクンナムと呼ぶとは考えてもおりませんでした。) インド人も商売に長けておりますので、クンナム地域で採れた正真正銘の良質の原石を安く売ることはいたしません。安いクンナム中国製品は全て偽クンナムもしくは2級品以下の石を使っております。(日本向けの墓石材としての黒御影石となる原石は採石量の数パーセントです。)中国人原石バイヤーは在庫全て買うから安くしろと交渉します。最初インド人オーナーも日本人が買わなかった石も売れるとあって喜びますが、最後は石の名声を傷付けてしまいます。それに気づいて中国人と商売しないというインド人オーナーも出てきております。 クンナムの付近の丁場の石はいくつかありますが、弊社は、クンナムとして扱っておりません。大変近くにカラサヌールという有名な黒御影石が取れます。丁場はインドで最も大きいのですが石目はクンナムとは全く違います。またぺルンバッカムという丁場もあります。ある日本の商社は安いクンナムとして販売しておりましたが、色も悪く、私が本年2月に訪れたときは採掘しておりませんでした。 KNM-M,Jはたぶん中国の原石商社や工場、貿易公司が適当に付けた名前でしょう。クンナムか偽クンナムかもわかりません。 KNM-E(オリジナル名は KUNNAM EAST) は、タミルナード州鉱山会社の丁場の石です。採算が悪く、数年前に閉山となっております。少し質が落ちますがKNM WESTの丁場もありましたがこちらも閉山です。 色が濃くクンナムの数ある丁場のなかでも良質ないしでしたので、今でを他の石を同じ名前を付けて中国人あるいは日本の小売業者が販売しています。EE,EEEはクンナムの大きな丁場二つを持っているE.E社があります。そこで採れた石かもしれません。なにせ中国人が勝手に命名するし、日本の貿易商社しいては小売業者が知識不足ですからいたし方ありません。私も2月に訪れたとき立ち寄りましたが、あまり良い状況ではないので買い付けませんでした。
最近買っているクンナム原石丁場